下瀬坂の窓から

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【№35】お見送りの時の静寂

105歳の最後の時まで、病む人々の傍らに立ち続け、生涯を通して導きの光となってこられた日野原重明先生が、7月18日、天に召された。私ども、飛鳥晴山苑にあっては、開設以来、折々にお訪ねいただいてご指導を受け、入所されている方々にそのやさしいまなざしを注いでいただいた。私個人としても、50幾年も前のことになるが、病に倒れた私の義父を看取っていただいたこと、聖路加国際病院を訪ねた際、チャペルでかけられたお言葉の数々を思い出し、その日、それらの一齣、ひとこまが心に低く、響き流れた。

当苑では一年の間に50名ほどの方が旅立たれるが、その方々をお見送りする秋の彼岸供養会が9月の25日に催された。毎日、朝な夕なに、心の奥深くに分け入って喜びや哀しみ、共感や孤独をお受けしてきた職員一人ひとりがしめやかに手を合わせる。ご住職の読経が通奏低音となってあたりを包み込む。お一人ひとりの死に向き合う静寂の時。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

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